1万人がいっせいに集まる駅前を、どのように再開発すべきか
行政の不動産を活用する官民連携事業には、「街づくり」という観点が欠かせません。街のブランドを上げ、地域住民が暮らしやすくなるように、住宅、商業施設、ホテル、オフィスなどの大規模複合開発となることがほとんどです。しかし、行政も民間も採算が合わなくては意味がない。収益が見こめるという「事業性」が不可欠です。つまり「街づくり」と「事業性」のベストミックスが求められます。たとえば、あるJR駅前の再開発。駅前のコンサートホールと庁舎の建て替えも含めて地域全体を再開発し、さらに1万人が集まるアリーナをつくる。これが行政側のプランです。1万人がいっせいに集まる街の歩道や区画はどう整備すべきか。どんな商業施設にすれば駅前のにぎわいを生みつつ、テナントの売上が担保できるか。地域住民のご理解はどう得ようか。開発費用と収益のバランスをどう整えるか…。アリーナ建設をふくめた再開発は、野村不動産にとって初めてのこと。およそ10年後の竣工に向け、行政や各種関係企業と折衝を重ねる日々が続いています。