官民連携による再開発で、「街づくり」と「事業性」のベストミックスに挑む

三輪剛/開発企画部 課長 2006年入社/

1万人がいっせいに集まる駅前を、どのように再開発すべきか

行政の不動産を活用する官民連携事業には、「街づくり」という観点が欠かせません。街のブランドを上げ、地域住民が暮らしやすくなるように、住宅、商業施設、ホテル、オフィスなどの大規模複合開発となることがほとんどです。しかし、行政も民間も採算が合わなくては意味がない。収益が見こめるという「事業性」が不可欠です。つまり「街づくり」と「事業性」のベストミックスが求められます。たとえば、あるJR駅前の再開発。駅前のコンサートホールと庁舎の建て替えも含めて地域全体を再開発し、さらに1万人が集まるアリーナをつくる。これが行政側のプランです。1万人がいっせいに集まる街の歩道や区画はどう整備すべきか。どんな商業施設にすれば駅前のにぎわいを生みつつ、テナントの売上が担保できるか。地域住民のご理解はどう得ようか。開発費用と収益のバランスをどう整えるか…。アリーナ建設をふくめた再開発は、野村不動産にとって初めてのこと。およそ10年後の竣工に向け、行政や各種関係企業と折衝を重ねる日々が続いています。

さまざまな課題を抱える行政は民間のノウハウに期待している

規模が大きい分関係者が多く、推進に苦心する。開発企画本部はそんな案件が目白押しです。しかし私は自ら希望を出し、異動してきました。国土交通省に出向していた2年間で、たくさんの自治体の課題に触れ、民間への期待の大きさを肌で感じたからです。人口減少、高齢化、施設やインフラの老朽化、そして財政難。ほとんどの自治体は右肩上がりのストーリーを描けずにいます。今こそ、民間のノウハウが求められているのです。しかし当時の私には住宅の経験しかありません。さまざまな開発ノウハウを身につけ、街づくりに役立てるには…。そう考えていたころ、社内で開発企画本部が行政の公有地を活用した官民連携事業に取り組んでいることを知りました。幸運にも希望が叶い異動。行政の課題を民間の側から解決するチャンスを得ました。

入社当初の目標に近づいてきた――そんな手応えを感じている

「街づくり」と「事業性」のベストミックスは簡単ではありません。プロジェクトが大きくなるほど関係者がふえ、しかもお互いの利害が一致しないことも多々。JR駅前の再開発も、会議では行政・デベロッパー・ゼネコン・設計事務所・コンサルなど30名前後の人たちが集まり、それぞれの立場から意見を述べます。私は民間事業者の先頭に立って、意思決定をしなければなりません。大変責任の重い仕事ですが、それだけこのプロジェクトには影響力があり、関係者全員が「街にとって良いものをつくりたい」という強い思いをもっている証でもあります。そしてこれこそ私がやりたかった「ものづくり」です。学生時代に学んだ建築学の知識を活かすことだけではなく、世の中のニーズをつかんで良いものをつくりたい。そう考えて入社し、今では社内外の同じ想いを持った多くの人と協業しながらプロジェクトを推進しています。様々な業務を多く経験し、今まさに入社当初の目標に近づいているという手応えを感じているとことです。