オフィス街のGEMSから、ファッション街のGEMSへ。チャレンジスピリットが動きだす。

野村不動産の都市型商業施設『GEMS』。市ヶ谷、大門、神田などオフィス街を立地とし、テナントはすべて飲食店。働く人達の夜の食事や飲み会の利用をターゲットにグルメタワーとして企画・運営されてきた。しかし、新たなGEMSは渋谷と原宿の間、明治通り沿いに位置する都内でも有数のショッピングエリアでの計画。エリアの特性も、集まる人達も、賑わう時間帯も、これまでとは全く異なる立地で、どんなGEMSを開発するのか。そこにはどんな課題があり、どのように乗り越えていったのか。「GEMS神宮前」の担当者3人に話を聞いた。

  • 安藤 怜
    都市開発事業本部 商業施設事業部
    2008年中途入社(新卒:2003年)
  • 高岡 由宇
    都市開発事業本部 開発部
    2007年入社
  • 富吉 夏樹
    都市開発事業本部 商業施設事業部
    2012年入社

Chapter 01/明治通り沿いの一等地で成功させるために、GEMSに物販店を誘致する。

渋谷と原宿の間の明治通り沿い。そこに、築古のオフィスビルと昔ながらのタバコ屋があった。「ここ、更地にしますけれど、買いませんか」。そんな情報が、野村不動産に入る。平日土日問わず、人の往来が多い都心の一等地。周辺には再開発によりさらなる人の集客も見込まれる、めったに出現しない立地条件である。すでに4棟がオープンしているGEMSシリーズは、グルメタワーというスタンスが定まり、評判もいい。商業地という、今までとは異なるエリアであるが、野村不動産のチャレンジ精神が存在感を表す。「この場所で物販店舗+飲食店舗の新しい形のGEMSにチャレンジするという方針はすぐ決まりました。」と開発の高岡が語る。「重要なのは、GEMSの肝はあくまでも飲食店舗であるというコンセプトを守り、低層階の物販店舗と上層階の飲食店舗との相性を考慮し、建物全体で相乗効果を生むような施設にしなければならないこと」。
これまでにないGEMSへのプロジェクトが始まった。

Chapter 02/はじめてのエリアならではの試行錯誤。

当該地は初めてづくしの場所。現地前を歩く人の年代、服装、働く人の業種、流行っている店舗の種類など、今までのGEMSが展開してきたオフィスワーカーターゲットの場所と大きく違うことは明白であった。そのため、これまで積み上げた社内の知見だけではなく、現地にオフィスを構える外部のコンサルタントなどとも協議を重ねることに決めた。できあがったコンセプトは『GOODY CULTURE』。例えば、ラーメンやハンバーガーといった一見ベタになりがちな業態ではありながらも、素材や製法などにこだわり物事の本質をとらえた店舗、夜の利用だけでなく昼間から流行を牽引する若い人たちで賑わうような店舗を誘致する。リーシングのリーダーを任された富吉は話す。「今回、私たちはリーシングのタイミングからwebでティザーサイトを開設し、コンセプトを体現するイメージムービーを制作しました。お客様に物件の目指したい方向性を共有するためです。そして、入居する店舗に対しメニュー構成、内装等について、海外事例や参考店舗の話を交えながら積極的に提案していきました」。店づくりについても、お店任せにするのではなく、施設のコンセプトを共有しながら一体となって一つのGEMSをつくっていきたいとの想いからだ。

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Chapter 03/ビルの顔となる店に、グローバルブランドが内定。

ビルの顔となる物販店舗には、どんなテナントを誘致すればよいだろうか。物販といってもアパレル、雑貨、インテリア、スポーツなど多種多様である。「初めてのマーケットであったため、土地取得前にこの場所にこんなビルが誕生したら、テナントとして入居する可能性はあるのか、様々な企業に直接ヒアリングに行きましたね」と富吉は語る。ヒアリング結果をもとに地下1Fから地上2Fの3フロアを物販店舗フロアとしたが、実際にリーシングを開始してみると、立地に興味はあるものの3フロアを借りられる企業は限られてくる。またグローバルな企業の場合、日本本社で承諾されても、本国で決裁が降りない場合も想定され、一等地とはいえ簡単な営業とはいえなかった。しかし、GEMSとしてのコンセプトを守るために安易な妥協は許されない。粘り強い営業により、現在はグローバルに活躍するアパレルブランドが入る見通しが立ち、世界に唯一のグローバル旗艦店として出店検討中だ。

Chapter 04/2018年春の竣工までには、まだクリアしなければならない課題がある。

「GEMS神宮前」が誕生するのは、2018年春の予定。リーシングもほぼ終わり、工事も着々と進められている。しかし、運営を担当する安藤は、まさにこれからが正念場になってくる。「たとえ人気店が入っていても、運営が悪ければお客様は来なくなってしまう。しかし、初めての業態が多いので、なにが起こるか想定が難しい。あらゆることをシミュレーションして、スムーズな運営方法の開発に取り組んでいます」。高岡が語る。「運営面のことを考えて管理費用を積み増したり、建物の仕様を変えたりするわけですが、当然コストがかかってくることなので、収支計画をにらみながらの調整となります。実際、建物計画自体は当初から大きく変わってきていますし、開発としてもまだまだやることはいっぱいです」。「手応えは感じています。このビルが人でいっぱいあふれるシーンを見たら、感激するでしょうね」。そう話す富吉の言葉に、安藤は「もちろん人であふれる姿はうれしいと思うでしょうが、その状態でお客様が不満を感じていないだろうか、ということも重要。運営は、次のこと次のことを考えなければいけないので、ゴールはありません。その積み重ねが、テナントとの信頼関係を結び、GEMSの価値になっていくと思っています」。

Project story 01/街を利用する人たちと一緒に未来を創りあげる。それが「野村不動産の街づくり」。