Dialogue03

サステナビリティエリアマネジメント

未来を見据え、
人々と向き合うことで社会に貢献していく。
その意志こそが、
自分たちの仕事を面白くする。

野村不動産では、街に暮らす人々とともに、街をより良くしていく「エリアマネジメント」、そして事業活動そのものを通じて社会全体をより良くしていく「サステナビリティ」を推進している。そこには、建物やサービス、商品などを「つくって終わりではなく、未来を見据え、人々と向き合うことで社会に貢献する」という、野村不動産の意志がある。どのようにエリアマネジメント、サステナビリティに取り組んでいるのか。それぞれの担当者2人に語ってもらった。

※所属部署はインタビュー取材当時
のものになります。
  • 榊間 綾乃
    2018年入社
    サステナビリティ推進部
    榊間 綾乃
  • 長谷部 尚子
    2015年入社
    事業創発本部
    エリアマネジメント部
    長谷部 尚子

エリアマネジメント活動も、
サステナビリティ推進も、
重要なのは、“自走する”持続可能な
取り組みへと成長させること。

長谷部
エリアマネジメント部の中で今私が担当しているのは2つのプロジェクトです。一つは、2022年3月に竣工した「プラウドタワー亀戸クロス」の一部にあるエリアマネジメント施設「Be ACTO亀戸:まちのリビング」の運営。
もう一つは、2023年竣工予定の、JRグループとのJV事業である「Meguro Marc」プロジェクトで行うエリアマネジメントのセットアップ業務です。
榊間
私の担当プロジェクトも大きく2つです。一つは、野村不動産グループ全体のサステナビリティに関する目標策定業務で、現在は目標達成に向けたKPI策定を行っています。もう一つは、サステナビリティ推進のための企画推進業務です。
長谷部
具体的にはどんな企画を推進しているのですか?
榊間
サステナビリティ推進部は2020年に創設されたばかり。現在は、奥多摩町と手を携えて行う森づくり「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」を進めていこうとしています。
長谷部
エリアマネジメントを考えるときにもよく“サステナビリティ”というキーワードが出てきます。 私たちはエリアマネジメントの活動を通じて、その街に暮らす人々を主人公にした街づくり、具体的には自分の暮らす街を愛し、よりよい街に育てていきたくなるような仕組みを作れないか試行錯誤しています。
その仕組みの1つの形として日吉から始まった“Be ACTO”※を亀戸でも導入しており、1号物件の日吉同様“マチノバ”や、“ツナグヒト”などのエリアマネジメント活動の土壌は用意しますが、結局、街の人たちがその土壌を活用しないと、持続可能(サステナブル)ではないので、どうしたら街の人々にBe ACTOを活用してもらいながら、自走に近いような形で街を育くんでいけるか考えています。
私は「Be ACTO亀戸」の”ツナグヒト”として、地域の法人や店舗、町会の方々などと連携するための渉外活動を行っており、”まちのリビング”ではだんだん地域の方々が主体となった活動が増えています。
※「Be ACTO」とは
榊間
確かに自走するというのは大事ですね。持続可能な取り組みであるためには、野村不動産グループ、共創パートナー、そして社会にとっても利益がある必要があると思っています。どちらかが一方的に何かを与え続けるというやり方はサステナブルではないなと。「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」も、奥多摩町と包括連携協定を結び、その中でお互いのためになることを一緒にやっていこうとしています。
また、社内に向けて言うと、サステナビリティ推進はサステナビリティ推進部だけがやればいいことではなく、一人ひとりが自分たちの事業の中でできることを、それこそ自走して取り組んでいってもらうことに意味があると思っています。
長谷部
エリアマネジメント部とサステナビリティ推進部は目指す方向に共通性がありますね。こちらの話を聞いてもらったり、逆にこちらが話を伺ったりする中で、一緒にやれることがありそうです。
榊間
そうですね。ぜひ!

多くの社外の方々へ
新しい価値を提供することが、
巡り巡って野村不動産の
利益になる。

長谷部
私たち野村不動産のエリアマネジメント活動があることによって、ちょっとした日常にプラスαの豊かさが手に入る。そしてその積み重ねの中で、街の人たちがその街をさらに好きになり、何世代にも渡って住み続けたい街に育っていく。それがエリアマネジメント部としての目標です。その先では、街の人たちが、「野村不動産の開発で良い街になったよね」と思ってくれて、野村不動産のファンが増えていく。私はそんな息の長い話の始まりのところを取り組んでいるのだと捉えています。
榊間
私もサステナビリティは巡り巡って野村不動産の成長につながると思っています。野村不動産グループとしてのサステナビリティに関する目標や考え方を発信したり、また「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」などを通して実際にサステナビリティに取り組むことで、社外の方々の野村不動産グループへの共感や信頼度が増し、私たちのサービスや商品を選んでもらえるきっかけにもなるのではないかと……。
長谷部
それはありますね。エリアマネジメント活動の成功事例が積み上がれば、それを活かしてこれまでできなかった商品設計ができて、それが大きな開発案件獲得のきっかけになればいいなと思っています。
榊間
「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」では、従来の林業ではなく、サステナビリティに資する森づくりに取り組みます。それは一緒に森づくりを行う林業の専門家である東京都森林組合にとっても今までやったことのない取り組みであり、通常よりも手間がかかることでもあるんです。
だからこそ大変ではあるのですが、新しいことに共に取り組むことで、私たちも、そしてもちろん共創パートナーも現在のトレンドともいえる“サステナビリティ”のノウハウを得ることができます。その意味で共創パートナーにも新しい価値を提供できる取り組みだと思います。

なぜ野村不動産がやるのか?
なぜ自分は取り組むのか?
それを明確化することで
初めて共感の輪が広がっていく。

長谷部
どんなサービスも商品も街も、作り手が面白いと思っていなければ面白いものにならない。と、私は思っています。そもそも私は、なぜ私たちがこの事業に取り組むのか考えて、腹落ちしないと動けないタイプ。そうして事業を好きになる。現在は、私たちのエリアマネジメント活動がその街を良くしていくことにつながると信じて、それを面白がりつつ、心血を注いで取り組んでいます。
榊間
私も「なぜやるのか」という目的や意義をしっかり考えることにこだわっています。直接的・短期的に効果が出る領域ではないので、目的や意義がはっきりしないと、誰にも共感してもらえず、サステナビリティ推進はできないのではないかとも思っています。
「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」でも、共創パートナーの方に、なぜ、従来の林業ではない取り組みをしたいのか、何度もすり合わせをして、その意義を理解していただけるよう努めました。それは決して簡単なことではありません。だから、長谷部さんと同じく、自分が腹落ちしないと頑張れないというのはありますね。
長谷部
私は街のその先、つまり未来を考える視点にもこだわっています。例えば、「Be ACTO亀戸」の会員さんは、未就学児のお子さんがいるご家庭が多いので、育児系の活動を多く行っています。ただ、この後居住者の年齢構成や属性が変われば、それに合わせて別のコンテンツや活動が必要になります。
住宅の在り方、その街の価値が変わっていく中で、エリアマネジメント活動の可能性は無限に広がっていくんです。だからこそ、未来を考える視点を持ち、かつ自分はどうしたいのか明確にしつつ、一緒に活動を作るパートナーを考えたりしています。難しいことですが、そこがたまらなく面白いところでもあります。
榊間
サステナビリティは、同業他社も同じように取り組んでいます。その中で、「野村不動産グループだからやることってなんだろう?」と常に問い続けています。
例えば、「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」は、木を建材として利用して不動産開発をするデベロッパーとして取り組む意味があります。また、森を良くすることで川の水、海の水がきれいになるということでは、東京が主要事業エリアであることや、2025年に芝浦湾岸エリアへの本社移転することにもつながる取り組みだと思います。

楽しんで仕事に取り組み、
何事もマニアックに突き詰める。
その姿勢が、サービス・商品の
クオリティ向上につながる。

榊間
サステナビリティ推進に取り組む中で改めて感じるのは、野村不動産は非常に人を重視する会社だなということです。サステナビリティポリシーにおいても、3つあるテーマ※のうちの一つ目は、人に関すること、マテリアリティ※にしても半分は人に関することです。
また、ポリシーやマテリアリティを策定する過程では、それぞれが腹落ちしてサステナビリティに取り組めるよう、若手や中堅、マネジメント層を含めた460人以上の社内外の方にワークショップに参加していただいて意見を聞きました。その意見の中には、精神的な豊さや、人を大事にするというところに着目したものが多くあって。サステナビリティ推進に当たっても、まずは人ありきという意識が醸成されているのだなと思いました。
※野村不動産グループの「サステナビリティポリシー」と「重点課題(マテリアリティ)」
長谷部
あと、言いたいことが言える会社だというのも、野村不動産の魅力ですよね。入社以来、聞く耳を持たれなかったことはないし、何か意見を言った時に生意気だと言われたこともない。
榊間
担当役員の方々もすごく話しやすいですよね。それぞれの意見を大事する文化があります。若手だからダメだということはなくて、むしろ、若手だからこそ意見がほしいと言ってくれます。
長谷部
仕事を楽しんでやっている人たちが多いし、その中でも、何事もマニアックに突き詰める人が多い。それが一つ一つのサービスや商品のクオリティを上げることにつながっていると思っています。
榊間
サステナビリティは超長期的視点の取り組みで、短期的に見れば、会社の利益になることは少ないかもしれません。それでもやるところに野村不動産らしさがあります。
長谷部
私が今取り組んでいることも、この瞬間、利益にならないことに資金を投じています。人がつながっていく街づくりは、自然発生的に生まれるものではなく、設計段階から計画してその土台を整えることによって生まれてくるもの。それを仕組みとして導入しようとしていること自体が、野村不動産のすごく面白いところです。
榊間
サステナビリティって社会に要請されて取り組んでいる側面もあると思いますが、「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」に関して言えば、トップダウンではなく、ボトムアップで始まっていて。それも含めて、野村不動産グループでは、自分たちがやりたいと思ったことに取り組むことができる土壌があると思います。
長谷部
同感です。自分が面白いことをしたいとか、面白いことをやりたいという意志が強いと、面白く仕事ができると思う。自分自身の想いを強く持って仕事に取り組みたい人にはすごく魅力的な会社なので、学生の皆さんにもぜひ興味を持ってもらいたいですね。